占星術は当たり過ぎるので、変えられています!
それはどうしてかというと、為政者(政[まつりごと]を治める者)たちが、消費者(一般大衆)に確実に当たる予言の方法の広がることを心配したからです。
なぜ?
為政者は、行っている政治に対して予防線を張られることを心配するものだからです。
為政者にとって、余計な事を知らない消費者の方が治めやすいのです。また、敵対者にきちんとした予言の方法を渡したくなかったのかもしれません。(後記参照)
モダンな占星術と、古典的な占星術の間には、矛盾とも呼べる多くの相違点が存在しています。
どちらが正しいという問題ではありません。どのように変遷してきたのかをもう一度捉え直し、確かな足取りを基として、西洋占星術を学んでいくべきだと考えるからです。
遠い過去から伝わってくる間に、大きく変化したものに対しては、何ゆえにそれが変遷していったのかを把握し、意味のある変更であったのか、無意味な変更であったのかを確かめ、戻すべきは戻せばいいでしょう。
例えば、モダンな占星術では極端な話、ハウスは機能しないとして捨て去る人もいます。
「いくつもの検証の結果、やはりハウスのシステムはおかしい。私は信じられない。だからモダンなテクニックを探そう」
という試みです。そのような態度を取るべきなのかどうかも含め、今日、見直しをする機会が訪れているのだと考えています。それには、ロバート・ハンド氏の主宰するプロジェクト・ハインドサイト等で、多くの古典的な西洋占星術の文献が、ラテン語やギリシャ語から英語へ翻訳され始めているという趨勢も、その見直しの助けになっています。
相違点の一つとして、モダンな占星術では「信じられない」とまで言われるハウスの解釈があります。多くのモダンな占星術の本には、歴史的な観点から占星術の起源を探ったり、その変遷が述べられたり、発展していく過程も載せられたりしています。それはそれでとても貴重なものです。ところが、ハウスの支配星に関しては、
[1]ハウスの支配星が古典的な占星術とモダンな占星術で、使っているものが違ってきている事を書いていません。
[2]過去にはハウスの支配星に対して別の捉え方がありましたが、それがモダンな占星術に至るまでに、なぜ変化してきたかが書かれていません。
[3]モダンな占星術で使っているハウスの支配星の優位性が、変遷の結果、より有効性があるとするならば、どうして有効性が過去のものよりも勝ってあると言えるのか、それが書かれていません。
ハウスの支配星は、占星術の根幹をなす惑星の意味を導き出す基礎としてとても重要なものの一つです。歴史的な視点をモダンな占星術の本も持っていますから、ハウスの支配星の変遷を一言も述べずに押し進める理由がどこかにあるはずです。それはいったい、どういったものなのでしょうか。
例えば、今日4ハウスは母親のハウスとされています。しかしながら、過去の数冊の本をあたると、
4ハウスは父親を表すとなっています。
過去の多くの本にそう書かれていながら、なぜ今日4ハウスは母親?となっているのか、その理由をデボラ・ホールディング女史は自著「The houses the Temple of the Sky」の中で次のように書きます。
『例として、2番目のハウス = 金牛宮 = 金星 = お金というテーマを考えてみましょう。
伝統的占星術においては、双魚宮が刑務所を描写していないのと同様に、金牛宮はお金を描写していませんでした。
サインとハウスそれぞれの具体的な役割は、完全に別個の概念として扱われていました。』
つまり、サインの役割 ≠ ハウスの役割 だったのに、
誰かが、サインの役割 = ハウスの役割 にしてしまったのです。
つまり、2番目のハウス = 金牛宮 = 金星 = お金と同様に、
4番目のハウス = 巨蟹宮 = 月 = 母親というセオリーを持ち込んだがゆえに、4ハウスが母親になったというのです。
西洋占星術では、2ハウスは木星に、したがって財産は木星に、
4ハウスは太陽と、つまり4ハウスは父親と密接に関係付けられていました。
4ハウスが父親から母親へというような変遷がなぜ行われてきたのか、委細は歴史家の検証をまたなければいけませんが、事実は事実としてハウスに対する考え方を再度とらえ直してみる必要があるでしょう。その過程で、「ハウスのシステムは信じられない」という言葉が、確かにモダンな占星術の立場からは真実であることがうかがえるはずです。
ハウスの選択を間違えれば、判断を間違えます。これは、実占の場での事実です。
後記
※ 為政者が変えたというのは作り話です。
※ 実際には、難しい占星術を簡単にするために行われたようです。