占星術師が多くの問題を解決するとしても、最も大きな利益は、自分自身の問題の解決です。占星術は、肉体と心と魂の統合体としての自分自身を、深く見つめる目を培ってくれます。(占星術の図案は、これに基づいています)
西洋占星術では、実際には存在していない地球中心の天球を使い続けています。
これは、現実だけを追い求めているわけではないというスタンスを、明確にしているものです。
昔の占星家は当たり前のように瞑想を日課としていました。
それは心の問題を、当たり前のように、常に考えていたということです。ひょっとしたら、問題の切り口はもっと別のもの、たとえば、「人はなぜ生きるか」とか、「私は誰」だったかもしれません。何らかの問題と対峙していたであろうということです。
心の問題も解きたいと考えた人たちが占星術を学んできたのか、占星術を学んだから心の問題に直面したのか、どちらが先かは分かりませんけれども、どちらであっても、惑星の動きや、それらを通して何かを教えてくれる神に対する敬虔なものを感じてきたのは、おぼろげながら理解できるでしょう。
太陽から降り注がれる偉大な熱と光を浴びながら神のシンボルだと感じ、月の光を見ながら女神に思いを馳せ、天の川のきらめきから、それは神から降りてくる御使いたちの通り道であると感じたのだろうと思います。
そのような事柄から、この世は見える世界だけではないと随分早くから感じ取っていたのだとも思います。
引力という概念を知る以前から、物と物を結びつける何らかの力を認め、電波を知らない時代から、神との対話はどういうものであったとしても、意志の疎通はできるものだと信じて疑わなかったのです。
その一つが、星を読むという行為です。
「星を読むことができるとしたら、それを書いたのは誰?」
私たちは神とコンタクトを取っているのでしょうか?
神とコンタクトを取るという行為と、星の言葉を読み解くという行為とは、どこか類似点があります。
上の命題には、いくつかの答えがあります。その中の一つに、神は存在するというのもあります。
(他の答えはいずれ別のページで考察していきたいと考えています)
神とコンタクトを取るという行為が、直ぐに宗教に直結することにはならないでしょう。でも、かなり宗教性は帯びてきます。
宗教の定義は捉えどころがないことは明らかですが、ほとんどの宗教儀礼には、[1]神と何らかのコンタクトを取る(取ったことがある教祖がいた)、[2]祈るという二つの行為が備わっています。
「私は祈っていないから、宗教ではない! 良かった!」 本当にそれでいいのでしょうか?
あなたは大事なことを教えてくれた人に、「ありがとう」と言いませんか?
それは、まったく自分の求める価値観に任されるものなのですが、大事なことを教えてくれた存在に「ありがとう」と言えない人を、人は人だと考えるものでしょうか。
私自身は、何か大切なことを教えてくれた人に「ありがとう」さえ言わずに無視することができません。
どこかで、小さな声でもいいから「ありがとう」と言いたいものです。
この「ありがとう」を、見えない誰かに言うことを、祈るというのではないでしょうか。
占星術師としてある前に、人でありたいものです。ものすごく難しいですが。
占星術そのものは、宗教ではないと思います。
それを行為として行うと、宗教性を帯びてしまうというのが本当のところでしょう。
そして私は、それを、けして悪いことではないと考えているのです。一つの学習が必然的に「ありがとう」という感謝の気持ちを抱かせる学びは、そんなに多くないと思います。たとえ、「ありがとう」という気持ちが出てくる学習であったとしても、神とコンタクトをしている気持ちを抱かせるものは、これまた少ないと思います。占星術は、宗教上の行為の、その二つがそろってしまいます。
カレントは、ある種の苦境を通して道を見つけたいと占星術師の(あるいは他の神秘的なものの)門を叩きます。そして私達は、カレントの幸せな変化を期待します。
占星術は宗教ではないにしても、これまで述べたことによって、かなり宗教的な雰囲気を備えたものであることは確かでしょう。そうと認識できないほど当たり前に行われているところは、頼もしい限りです。
あなたは星々を通して、ひょっとしたら神々との会話を仲立ちしているのかも知れません。
「星の言葉を言語として読み解く行為をする」ということは、明らかに宗教に類似した行為の一つです。
占星術は、祈るという行為があろうとなかろうと極めて宗教的な行為で、この二つ(祈ることと神の言葉を仲立ちすること)はとても手を握り易い距離にある事柄だと結論付けることができます。少なくとも「ありがとう」を言う機会は生じるはずです。
そして、占星術も宗教も同じような大きな問題、「私の人生の意味は何ですか?」 に直面していることを考えると、またしても類似のスタンスに立っていると言えます。
※ この章は、スーザンワードさんのお弟子さんであるケビン・ブリックス氏のThe Astrological Journal 49号に載っている論文、「Astrology and religious belief」を参考にさせて頂きました。
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2008年 2月22日
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