西洋占星術(星占い)を何年も学んでいながら、結局はどうやってチャートを読むかが分からない人が数多くいらっしゃいます。何を隠そう私もそうでした。本に書いてある風にはどうしても読めないのです。手順が人それぞれ違うのではと考えたり、特別な直感が要るようで、私には才能が無いんだなと思っていました。
友達のチャートならそんなに責任も感じませんし相手も許してくれるので、気楽に解説したりもしていました。でも、実際にはどうやるんだろう? 実際の手順を示してくれる本には、長い間ついぞ巡り会いませんでした。それが幸いでした。伝統的占星術に導いてくれた、現代占星術の欠点だったのです。
チャートを読むステップは、ものすごく重要なポイントです。古代の占星術師たちはどうやって様々な問題にアプローチしていたのでしょう。このHP全般を読んでいただくと、いきなりチャートに手を付けてはいないことが分かると思います。そのような手順は、日本の星占いの教科書から見つけたことがありません。
日本の占星術にも、占星術何千年の歴史にして、始めて少しずつこのステップに付いて述べられたホーム・ページが増えつつあります。
絶対にこの方法しか無い、というわけではありません。でも、ある程度基本となるセオリーみたいなモノはあります。
1.提出された問題が、回答可能なものかどうか?
普通に考えてみれば解りますが、答えにくい問題というのは、問いになっていない「問題」です。
「私は、洋子さんと結婚できるでしょうか?」 左記のような問題は、相手がいるわけですから、問題として成立するでしょう。
「私は、お嬢さんと結婚できるでしょうか?」 このような問題に出くわした時、あなたはチャートを作ってもどう判断したらいいか悩むでしょう。
お嬢さんとは誰のことでしょう。
どこかの資産家の娘さんのことでしょうか?
きれいな人のことでしょうか?
男を知らないというだけでしょうか?
現在勤めている家のお嬢さんということでしょうか?
高等教育を受けた女性? と言うことでしょうか。
質問になっていない「問い」には、誰も答えを用意できないのです。このようなときには、対象になる人が明確になるまで、質問が成立していないと考えるべきです。再度、クライアントに聞きます。「どのような人が、あなたのおっしゃるお嬢さんですか?」 それがハッキリした時に、チャートを立てるべきです。
根本的な問題かどうか。というのは下記にもう一度重複して書きますが、本当に質問したい事項と、口から発せられる質問というのは、真意と違う場合があります。
質問そのものが、本当に聞きたい質問なのかどうかを何らかの方法で探り出さなくてはいけません。
次のような場合はどうでしょうか。
「借りている畑に、大根を植えようか? 白菜を植えようか?」
この問いは、どのような立場にある人かによって随分違ってきます。趣味で猫の額ほどの土地を借りて演芸をしている人と、20エーカーの土地を借りている農家の人が聞いた場合には、大きな違いがあります。一方は趣味で、片方は生活がかかっています。どちらが根本的な問題になるでしょうか。常に根本的という場合に生活がかかっているわけではありませんけれども、Wiliam Lillyはその本の中でこのことを “the consideration before judgement” 「判断の前の考察」と呼んでいます。
多くの場合、時間のルーラーと、アセンダント(サインとルーラー)の性質かエレメントが同質であれば、判断の答えが比較的簡単に手にはいると、言われています。これに対して、時間のルーラーが、アセンダント(サインとルーラー)の性質やエレメントと違う場合、非常に答えを得るのが難しいとされています。得ている知識では手に負えないことも出てくるでしょう。
過日、このような問題がありました。結婚してから3年、子供が産まれないけれども、いつ頃できるでしょうか? 時間のルーラーとアセンダントが合いません。「Hot & Dry」と「Cold & Moyst」です。トリプリシティーは「水」と「地」です。
本質的な問題ではないと感じながら、実際のところ、どうなんだろうか? ひょっとして浮気相手の子供を産んでいいかどうかの相談では? これは単に人生経験です。星を読んだわけではないのですが・・・ アバンチュールを時々ということでした。不妊のサインは無かったので、3年かかっても、5年かかっても、旦那さんの子供を産むべきですと普通の答えをしました。
これでいいのだろうかという疑問は当然つきまといますが、考慮以前の問題として、このような例が当てはまります。
他にもとても広範囲な事柄が、判断の前の考察に当てはまります。
繰り返し、いろいろな伝統的な、あるいは古典的な占星術・占星学と呼ばれるホーム・ページで語られているのを見かけられたと思います。例えば、アセンダントが若い角度というのは、ホラーリーチャートにとっても難しいものとなっています。情報過多の結果、得られる答えが種々できあがり、どれを取ればよいか迷うものとなりがちであると、古代の占星家は述べています。
同様に、格言などで繰り返し語られていることは、アセンダントが28度29度の時は、生死に関わる問題に発展したり、カレントが何らかのせっぱ詰まった状態にあることを表しているとも言います。
私は多くの鑑定の結果、常にそういうわけではないと考えています。そういうこともあるので気をつけないさいというくらいのものです。他の注意点があります。
月が双子、蠍、山羊の遅い角度に存在するとき。これも、上記のような生死に関する問題を表示するらしい、としか表現できません。確かめたことはないですし、出会ったこともありません。確かに、月にとっては双子以外は、良い場所ではありません。
これも、質問次第です。常にということはあり得ません。
月がVia Combustaの場合。カレントは非常に深い恐怖に陥っています。経済的な窮乏、あるいは病、あるいは近親者の重い病、などです。
これも、カレントが精神的なプレッシャーを感じていますが、それが普通のこともあります。
土星の第7ハウス在、及び7ハウスのルーラーやカスプがアフリクト((afflict)苦しめる)されている場合も、質問によっては結果は良くないものです。又、質問者がならず者だったり、占星家に対して悪意を持っていることもあり得ることがあります。
まあ、そんなことは滅多にないでしょう。これでは占星家が常に悪者になっていまします。
質問が第7ハウスに関連している事柄なら、結果の方を優先します。ならず者? 占星家を利用? ということはないでしょう。
2.質問を司る星(significators)の選択
最初、上記の考慮の前の考察をした後は、次のステップに移ります。どの星、又はどの星々が、クライアントや質問内容を表しているかということです。
「月」は通常、問題の中の込み入った内容を引き受けています。ホラリーの問題においては、月はカレントの感情をなぞります。特に離れつつある星に関しては、現在までのいきさつ。近付きつつある星に関しては、これからの成り行きです。カレントは個人の場合、一般的に月が他の表示星として使われていなければ、カレントの共同表示星となります。グループや医療に関わる事柄では、共同表示星となりません。
3.質問を司る星(significators)の居場所を突き止める
2が先です。案外、これが難しいものです。
次に、ハウスの意味にしたがって、仕事なら10室のルーラー、恋愛問題なら7室のルーラーを探し出して、それがどこ入っているかを注意します。
この質問を司る星は、質問に対して様々な情報を直接与えてくれる星になります。アセンダントとの関係。アセンダントのルーラーとの関係。又、カレントの質問した事柄に関して、カレント自身ではなく、関係者に関することがらだったりした場合でも、第一意は質問事項のハウスのルーラーが重要な意味を持ちます。
例えば、自分の息子の仕事に関することがらだと、10室のルーラーと、息子(三室)から数えて10番目、12室のルーラーは、ともに重要な意味を持ちます。
4.エッセンシャル・デグニティーの点数を付ける
エッセンシャル・デグニティーの表に基づいて、一つ一つ丁寧に点数を付けていきます。なれるまでは大変ですが、
レセプションや
コンバスト
などを見落とさずに、表にしていって下さい。
アクシデンタル・ディグニティーも調べます。
5.アンギュラーに在る星の観察
質問を司る星がアンギュラーに在るか無いか、また、非常にディグニティーが高い星であっても、アンギュラーにあるのかどうかを確認して欲しいとおもいます。
カレントの目的に適う星が、アンギュラーにある場合は、力強さをもって質問に答えてくれます。たとえ、逆の意味であっても、質問にはきちんと答えが強い影響力を持って出るはずです。
6.月についての考慮
月が離れつつある惑星との関係は、現在までカレントが質問内容に対してどういう状態、態度を持っていたかを表しています。
又、月が今からアスペクトを成そうとしている天体との関係は、これからどういう見通しができるかを、表しています。
そのアスペクトですが、それぞれの惑星に固有のオーブ
が存在しています。固有のオーブのページを参照して、月と他の惑星とのコンタクトができるかどうか、注意深く探し出して下さい。できれば書き出して下さい。しなくても構いません。
そうこうしているうちに、月がどの惑星とも関係を持たないこともあります。いわゆる、ボイド・オブ・コースです。伝統的占星術で使うボイド・オブ・コースの概念は
こちらにあります。
7.それ以外の要素
恒星、パート・オブ・フォーチュン、ドラゴン・ヘッドや、ドラゴン・テイル。その他、捨てきれずにいるトランスサタニアンや、アラビックパートなど、占星術に必要だと思われる、その他の要素を付け加えます。
8.判断へ
ここからが本当のあなたの正念場です。星に全てを任せて、あとは読み解いていくだけです。どこまでも星が何を語っているかを取り出す、あるいは翻訳する、あるいは気が付いて進む、全体的に。本当に答えとして提出される事柄なら、二カ所以上で同じ答えが出ているものです。
もちろん、そうならないこともあるでしょう。気を付けて見ていって下さい。あるいは、答えの補助となるような表示も隠れているかもしれません。気が付かれましたか? あまりサインを見ていません。ハウスのカスプのルーラーを導き出してくる時にだけ、カスプのあるサインが参照されます。
それでは、より深い考察のための、さらなる研鑽を期待して。
必ず表にして下さい。参考の表は本当に一部です。表にすれば、手戻り作業が極端に少なくなります。又、繰りかえし見ることがどれほどの時間の無駄になるか、考えてもみて下さい。あれは、ミューチャル・レセプションだっただろうか? 表にしてあれば、一回で済みます。見る時間を、考察に当てることができます。ですから、必ず、表にして下さい。
私の
占星術コースでは、見やすい表によって教えています。